岩手から旅日記・大阪編

週末、東北をあちらこちら。→17年春から大阪へ。さらに名古屋

1/7〜9 18きっぷで新潟へ、酒の国に浸る旅(その6)

新潟からは往路と同じ「きらきらうえつ」に落ち着く。真の鈍行旅はこんなものを…というポリシーが一部には存在するとわかっていつつ、速さと快適さには敵わないのです。

 

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今回もかなり空いてて、みんな海側に座れてるレベルとやっぱり冬の閑散期だなと。18きっぷ組は意外と少なくて、並行して走る特急いなほの代用も見受けられる。特急料金の分安いしね。

 

 

調達したワンカップを早速開けるか…少し迷ったが午前中から完全に酔いこむのはと良心がそれを抑え、台湾ファミマのドライパイナップルをかじる。

無添加でいいやん、と思ったが開けてなるほど。ざっくりしすぎ。

芯も含めて輪切りにしたのを干しただけ。でもって南国の空気感なのかスパイシーさもどことなく。素朴でクセになる(一袋一気に食べて舌がヒリヒリ、半日ぐらいは)けれど、日本じゃこのまま売れないよなぁ。

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車窓は終始曇りのままで、読書→いつのまにか夢の中で鶴岡に到着する。ここで約1時半の待機時間がある。余目か酒田で調整もできるが、前者は何もない。後者は港の食堂行きたいが行列必至でいつ戻れるかわからかい。

そんなことで一番無難そうな鶴岡を選んでみた。さすがに致道博物館を見てまわる時間はない。近くの致道館とカトリック教会を駆け足で。そのエリアまで片道歩いて20分はかかるので、本当に早足。

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次は鳥海山と絡めて車で来るかな。

 

鶴岡→余目は各駅停車で移動する。もちろんキハ40を期待したけども、ホームにいたのは110+E120の最新型?コンビでちょっと残念

乗り継いで再びの新庄、ここでも1時間弱の乗り換えで遅いお昼ご飯

 

とりもつラーメンが食べたくて、駅近の店をいくつか回ってみるがどこも休憩時間にあたる。15時すぎ、仕方ない。

 

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キオスクに「牛肉ど真ん中」が売っていたのでこれに落ち着く。暖めてもらって、ベンチで掻き込む。次は701系ロングシートなので車内で食べるのはどうも。

最近また値上げしたような…美味いんだけど、そろそろコスパ的には限界な気がする。

 

「すもっち」と「山形代表」ももジュースを買い込んで、県境を越える頃には外は真っ暗。ほっとゆだ駅で温泉とも思ったが、早く変えるほうが得策と見送り(そして、翌週に来ることになる)

 

帰り着いては、風味爽快ニシテとサラダホープ、すもっちで復習の晩酌

 

1/7〜9 18きっぷで新潟へ、酒の国に浸る旅(その5)

月曜はひたすら盛岡へ乗り継ぎ帰路につく。時刻表を手繰っていくと「ぽんしゅ館(9時半〜)&きらきらうえつ」というあまりに堕落した、魅力的なプランが浮かんできたので胸に秘めつつ朝を迎えた。

目を覚まして7時過ぎ、これから支度をすれば米沢回りの「べにばな」も羽越本線ローカル北上も間に合う…のだけど、えきねっとで指定券とって二度寝する。

 

羽越本線北上してもキハ40にあたる保証はないし、雨だから米沢歩きも辛い。惜しいのは「どまんなか」くらいと。

ラウンジスペースでもくつろいで8時半に出発する。

 

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機能性とコンセプトが洗練されて、かつ清潔感もあって過ごしやすいゲストハウスだった。規模もちょうどいい。

東京とか京都とか、需要が大きいエリアにあれば予約困難な部類に入りそうだが、新潟という都市に旅人宿をもとめる需要どこまであるのかがポイントと思う。

新潟でゲストハウスならここで決まり、金沢はポンギー、仙台は梅鉢だと思っている。(近いうちにここに山形=ミンタロが加わる予定)

 

日本酒を摂る前に空きっ腹ではたまらないので、万代シティバスターミナル名物のカレーを朝食に。

 

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黄色が濃い、給食のような色合いだけど、見た目とは裏腹にそれなりに辛口だった。野菜もたっぷりで赤く染めまくる福神漬けも相まって、レトルトカレーになって発売されるほど郷愁を誘うのもなんとなくわかる。

 

雨が強くなってきたので万代シティ→新潟駅は100円だしバスに乗る。

と、乗ったところでアナウンスが云々、これは〜に止まりますと。ん?中間のバス停の話か?聞き取れず…

それから間も無く、駅前に到着なんだけど、なるほど構内には入らずかなり手前でドアが開く。

バス路線ってローカルルール強くてどこに行くかがわからないっていうのがやっぱり潜在的な欠点で(観光もバスより鉄道になるのはこの理由だろう、個人旅行には)今回はごくごく軽傷だったけどやっぱり気を抜けないもの。

 

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そして今日も利き酒コーナーへ。

午前中だけどけっこう混んでる。

今日は田友、上善如水(の新酒)、地上の星ベンチマークとして)、秋風穂、金鶴を。

新潟酒は全体的に香りとか酸味が穏やかで、淡麗辛口たるすっきりした飲み口に走っている。

日本酒飲みを東北スタートしたが故に、やっぱり飲みつけるのか八仙とかの芳醇系や、酸味が軽妙な秋田酒に慣れてるとちょっと物足りなさを感じてしまう。

 

 と、言いつつも酒を買って帰らねばというのが勝手な思い込み。ただ、このあとの乗り継ぎも多いのでワンカップで我慢

『金鶴』と『根知男山』をひとつずつ。瓶で買うなら『地上の星』も良かったんだが、買い込んでも消化の見通しが立たないので。

 

1/7〜9 18きっぷで新潟へ、酒の国に浸る旅(その4)

月岡温泉「美人の湯」を出たのが13時半過ぎ、ここから帰りのバスまで1時間半あって、酒の試飲だけでは間がもたず。

かといってお昼には遅いしいっそ飛ばしてと考えていたら、行きに駐車場いっぱいのラーメン屋があったことを思い出す。

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温泉街の入口、ちょっと奥まったところに「きぶん一」、とんこつラーメンらしい。満席近かったがちょうど空いたところに滑り込む。名物という肉そばを。

 

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このところのローストビーフ丼路線で、見た目華やかさが売りのヒントと明確に。麺は普通の加水強めの中華麺(ざる中華でも美味そうなやつ)で博多系の豚骨とは似て非なるところも否めず・・・やっぱりインパクト勝負なのか、このくらいの優しさが土地にあっているのか。
うーん、850円はなかなか。

 

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観光協会運営(?)のコンセプトショップ3部作から「新潟地酒蔵」で飲み比べを開始、ここは500円で3種類選べる。プレミアムな地酒って?とよく線引きわからないが、並んでいるのは大体純米か純米吟醸だったので、いわゆる普通酒ではないということがひとつの基準なのかな。

 

どれを飲んでも同じ値段なら・・・なんとなく、限定とか少し希少度が高そうな銘柄からと狙ってしまう。

 


清泉→緑川→根知男山の順で。


前者ふたつがそんな考え方でだったんやけれども、一番しっくりきたのは根知男山の純米酒だった。新潟の酒は淡麗辛口というが、キレが良すぎるのか、余韻無さがちょっと引っかかる。これは芯の強さがあって、香りも強くて、かといってくどさはなくて。陸奥八仙の、ちょっと軽めの…漁火に近い気がする。

 

 

豊栄経由で新潟に戻って、「ぽんしゅ館」でその続き。

 

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500円で5種類、いろんな塩をなめつつ、小さいおちょこで勢い受け止める冷水で

和らげつつ。
地上の星→のぱ→恩田一本〆→カウボーイ→さんずい

 

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この中でのベストは「地上の星」、本醸造だけど精米歩合は48%と大吟醸レベル、価格も4合瓶で1,500円ほどとそれなりだが、日本酒のアベレージそのままというか、きれいな星形のチャートを描きそうなお酒


ネタ枠は「のぱ」、強烈な酸味と甘みが襲ってくる。知らない世界が迫ってくる。1本買って飲みきれないから、ここで楽しむのみにするが、鮮烈な体験だった。

あえて個性派ぞろいで試してみたが、新潟のお酒は全般に香り穏やかで端麗辛口、即ち余韻が薄い。

私の口に合うのは東北に多い、香りがしっかりしていて、どことなくフルーティーで甘みうま味が乗りつつもスッキリ流れていく(つまり、豊盃であり、陸奥八仙であり、秋田のお酒もろもろも)
その点を認識できたことも大きな収穫と。

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程よく飲んだところで、新潟名物「たれかつ」も食べておく。少し前にチェーン

店の季節メニューになった時、週1以上で食べていたこの味、本場だとちゃんと

した肉使ってるのも相まって。食と酒が旅の原動力

ゲストハウスに戻るか、しばし考えつつ、駅前の立ち飲みに吸い込まれていく。
生ビールでは飽き足らず、クラフトビール酒屋では1本350円、ここでは開けて飲んで390円

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ハムカツがいかにも安っぽいボロニアソーセージそのままで食べきるのに苦労し

たが・・・ビールは場所で裏切らない。

今回は流石にバスで戻る。BRTの連接タイプを待って乗る。

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ラウンジでの宴会に混じり、今日も風味爽快ニシテで締めくくり。
明日のルートも、起きてから。

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1/7〜9 18きっぷで新潟へ、酒の国に浸る旅(その3)

明け2日目はどこに行こうかと直前まで悩む。
新潟市内にはこれといった見どころが浮かばず、かといって18きっぷ片手に只見や喜多方に遠征するのも見当違いと。新発田城月岡温泉という齢にも不相応な組み合わせで折り合いがつく。

 

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朝食は朝から(いや、午前中しか)営業しない、朝ラーメンで。
チャーシューメンでも570円と驚きリーズナブル、麺は稲庭うどんのように白くしなやかで喉ごし良い平打ちでスープはやさしく広がる煮干しの風味
飲みの〆には物足りず、昼でもしゃっとこない、朝だからこそスッキリするラーメンでした。

 

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新潟駅から白新線を北上して一路新発田へ。115系6連のちょっと絶滅危惧種な編成で。車内は1ボックス1名の旅人には最適な塩梅で、朝日を浴びつつ、それでもウトウトしつつ。

 

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市内は雑煮合戦なるそれなりに大きなイベントが開かれていて(いや、でも、雑煮に蟹やら雲丹を加えて名物に仕立てれば、というのは安直だと思うぞ)そこに吸い込まれていく人々。スロットのような廃墟?まだ何かに使っている・・・わけではなさそう。

 

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朝に続いてそれなりに歩いて最初の目的地に到着
予想をはるかに超えてこじんまりと佇むその姿、歴史の重みがそれをカバーして

くれているような。それでも、青空に白亜が冴える。

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少し歩くと自衛隊の資料館が、手入れされた丁寧な外観とは裏腹の、昭和を感じる、いや、大人の模造紙学習というべきかのチープな展示への落差が・・・戦争を扱っている神妙さを脇に置くと吹き出してしまう転がりかた。
とりあえず、貼っておけば。それは違うと。


斜に構えるとじっくり見てしまうらしい。慌てて駅に戻る。

 

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1両の気動車に揺られて、月岡駅に降り立つ。その先にバスがないことを知りつつ。新発田月岡温泉の路線バスはなんと平日のみ。終着が観光地なのにあまりに貧弱な公共アクセスだ。新潟なりからも宿泊者対象としてもバスが走っていた方が、これからのインバウンド・・・(以下、定型句につき省略)

というわけで、4キロ1時間の散歩道

 

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昼間の温泉街は人通りも少ないけれど、饅頭を蒸かす湯気立ち込める通りに賑わ

いを感じる。

 

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どこかの旅館に立ち寄り湯の勇気もなく、公共浴場へ。国見温泉と同じく、エメラルドグリーンの苦いお湯、透明な単純泉よりもこういうタイプの方が「温泉に入ってる!」というのが手に取るようにわかるので良いかと思っています。

1/7〜9 18きっぷで新潟へ、酒の国に浸る旅(その2)

鶴岡で約2時間の乗り継ぎ時間があり、どこか観光を…とは調べたが、駅から徒歩圏内には見どころが乏しく…

行き着く先は酒蔵、これ一択である。

ひと駅先の羽前大山まで進む。

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ここから 徒歩10分、「出羽ノ雪」渡會本店へ。

 

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酒造資料館と試飲がついて入館料が100円、タダ乗りされんごと一応もらいますよ的な感じか。

 

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資料館は昔の酒造りの道具や、歴代首相の「國酒」色紙(レプリカが各酒蔵に配られるらしい)がずらっと。

現在の方が2枚あるのはご愛嬌

 

ホッコータルマエの展示もあって、どうやら祝勝会にこの「出羽ノ雪」が使われたらしい。苫小牧の星、そんな馬だったのでどんなつながりがあったのだろう?その辺も書いてくれるとより楽しめるんだけどな。

 

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資料室は蔵のボトリングラインを囲むように配置されていて、ラベル貼りの機械とか、瓶の洗浄機?もみえる。すぐそこで酒が造られてる。貯蔵タンクはその奥で合間にみえるくらい。

 

試飲コーナーは純米・大吟醸の定番セットに、貴醸酒を加えたラインナップ
純米は穏やかな香りと甘みで新潟のお酒に近い。
大吟醸は、もちろんすっきりしていて美味しいわけで、面白かったのは貴醸酒のほう。熟成させているのも効いていて、まるで紹興酒、とても品がいいもの。

ただ、さすがに高いものは手が出せないのと、旅の序盤で瓶を持ち歩くのも機動力を落とす。酒どころのゆんたくに他県のを突っ込むのも少々気が引ける・・・ということで、この後の車内で楽しむためと。小瓶をひとつ。

 

鶴岡にいったん戻って『きらきらうえつ』でワープするように新潟へ。
重い曇り空で夕陽は期待するまでもなく、ただ酒と向き合う。
車内販売で「鮭の酒浸し」なる肴を見つけ、その値段(500円強)にしばし躊躇いを覚えつつも、食と酒に惜しまないポリシーを思い出す。

で、晩酌のセットがこちら。

 

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合計で1,200円くらい。

名の通りに浸しながら少しずつ。
鮭とばをさらにカラカラに凝縮した感じ。無添加なのも◎(鮭とばとドライマンゴーはつまみに最適と思っているが、ともに無添加品がほとんど量販されていないのが難点)

 


酒の方もうま味が足されてまろやかになって、時間を緩急つけて変化どうなるか試してみたり、そのまま齧ってみたり。いろいろ試してると、ほろ酔いラインでどちらもなくなって切りよく。

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軽く目を閉じると新潟に到着した。昨年3月の津南雪まつり以来なので、10か月ぶりの駅前
→日本酒と、たれかつ丼と、風味爽快ニシテは外せないと心に決めて。

 

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予約したゲストハウスは橋を渡った中心街の奥にあるっぽい(あまり調べずに評判よさそうなのでここにした)バスに乗ってもそこそこ歩くらしいので、萬代橋の夜景撮りたいし全部歩いてしまえと。


Googleが嘘をわけもなく、徒歩30分+撮影時間で宿に行き着く。ゲストハウス人参という、2016年に開業した新しいゲストハウスで定員は15人くらい。ドミトリーだけど襖で仕切られてて、かなり快適な空間でびっくりなほど。個人スペースに小さな机もあって、荷物整理にも役に立つ。機能が考え抜かれている。

 

ラウンジは閑散と、飲みが進んでいる風でもなかったので外にでる。
市場街にある『案山子』のカウンターでまずはこのビールを飲まないと。

 

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あとは栃尾の厚揚げで新潟名物の口火を。

 

昼過ぎから飲み続けだったので、深追いせず、明日に備える。

1/7〜9 18きっぷで新潟へ、酒の国に浸る旅(その1)

3連休はどこかに出かけなければならないと、なぜか思い込んでいる。冬の最中であっても。前は金沢、その前は確か函館へ。今回は残り4日しか使えない18きっぷが3日も残している。

ある程度織り込み済みだったとはいえ、これを使ってできるだけ遠いところへ。

 

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初日はひたすら移動日になってくる。北上線で横手に抜ける。ひと月前よりも雪が少ない。ある種の異常気象と思う。ラッセル車もどこか手持ち無沙汰…結局はある程度シーズンで帳尻あってくるらしい。後半がこわい。

乗り継いで奥羽本線、車両は東北側と同じ701系の味気なしロングシートなんだけど、どことなくのんびりとした空気が流れる。弁当を食べる人がいて、おばあさんが煎餅をぽりぽり。ワンマンカーの2両目はゆるい空気が流れる。

横手からはスーツケース抱えた人も多い。どうやら新庄からのつばさで上京組の様子。湯沢から南は週末パスのエリアだし東京へこまちで行く理由はないということか。

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十文字、湯沢を過ぎてどんどん雪深くなって行く。夏も感じたがこの辺りの左右に見える山のおだやかな稜線が美しい。なんとなく、のんびり縦走したくなる。

 

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県境の駅、院内はかつて鉱山で栄えた町らしい。今はちょっと大きな集落レベルだけれども。2年前の大曲花火大会ツアーで、宿がこの町の名主さんの家だったのが印象深い。深夜1時過ぎについて、そこから爛漫と枝豆で酒盛り始まったっけ。寝ようとする面々をとりあえず1杯はとひきづり込んだのもいい思い出。

 

そんな院内も冬は雪深い。この日1番の雪景色はこの辺りだった。

 

新庄で陸羽西線に乗り継いで日本海を目指す。新庄駅奥羽本線もレール幅変わるため全て乗り継ぎになる。陸羽線も東西の分岐だし、ちょっとしたターミナル駅の風格。ここでうえつの指定券も発券しておく。

そして、さすがに空腹に襲われてきた。

 

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キオスクのパンでは味気ない…駅の物産館に何とも手作り感あふれる弁当が。これで400円はお値打ちすぎる。

地元の総菜屋が卸しているみたいだが、「原材料:白米、主菜(鶏・豚/魚)、副菜、調味料」って書いてある驚きを伴った微笑ましさがある。

 

たぶん、今日の弁当には魚入ってない。

それでも随所に野菜を使っていて、栄養とれよー野菜たべろよーって気遣いが伝わってくる。

いいね、こういう掘り出し物。

 

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そんな弁当をのんびり食べながら、曇り少し晴れ間の庄内地方に到着

 

 

1/1〜3 帰省の復路は台湾散歩(その7)

f:id:islandernx:20170124213609j:image薦められるままに行先にした鹿港だけど、予想以上に興味深い街だ。
観光地だけどすれてなくて、素朴さを残す。平日に行ったので空いていたのも印象良くしているのかもしれない。

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一番南まで下ってきての龍山寺がつい、ぼーっと時間を過ごしてしまう居心地の良さ。もちろん中華的な廟の造りなんだけれど、目に煩い電光掲示板もないし、よってたかって騒ぐように祈る人もいないし、視界に入る数人も、結婚式の写真撮りに来た一団も、思い思いの所作と距離感を保っている。

 

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紅白で流れてた『海の声』サビが脳内リピート、辺りはコンクリートの住宅地で海が見えるわけでもないし、むしろそのロケーションは安平だったんだけど、心を広げる穏やかさをともなっていたのはこちらだったと。

 

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気づけば乗ろうとしたバスに間に合わない時間に。

 

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それならば、とことん迷ってみようと。摸乳巷っていう異様に細い路地(字を読んで然るべく)からさらに学校の脇を抜けてとにかく日常の裏路地に突っ込んでいく。上海のように格差と矛盾を感じることもなく、山の手のようになだらかな階層を垣間見るまでもなく、穏やかな空気を感じる。それが豊かさにつながるかはわからない。(いずれ過疎化していく街なのかもしれないし)

 

されど、この日立ち寄った彰化(ベトナムとの交錯&受験戦争)や台中(どこまでも、無機質な都市空間・東京のウォーターフロントのような)のうち、仮にどこに住む?と聞かれたら鹿港かな。台中までも1時間で出れるわけだし。立ち位置的には仙台からみての石巻ぐらい?

 

そんなわけで、旅人の口コミは信じるべき。日本人宿にしておいてよかった。発想がn=1ではないので思わぬ発見に出会える。

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4時間弱を過ごし、高速バスで台中に向かう。やってきたのは、マイクロバスでもって乗客4人…バックパックあるので遠慮して一番後ろに座って、車輪のうえで突き上げる振動に耐える必要は、なかった。途中から乗ってくる人いると思ったんだが。全くなし。


そしてこのバス、アナウンスも降車ボタンもなく。


台中市内に入ってからはGPSとにらめっこ。わーわーとバス停でもなさそうなところで降りていく。あと2人になって、「お前はどこまでだ?」っていうように飛んできたので駅って行ったら、だいたいその辺で降ろしてくれた。

 

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目の前にあった宮原眼科(というなの土産物屋)で会社向けのパイナップルケーキを調達、向かいのファミマで麻辣ピーナッツとパイナップルを。

桃園行きのバスは30分後だったので、台中駅をのぞいてみる。

 

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改札が素通りになっている。なんだ?
夕焼けに輝くレール、一方通行関係ない群列、過ぎていくと国際線ターミナルのような巨大な駅が。これぞ、ハコモノと。

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駅前からバスで2時間半、無事に桃園空港に戻ってきた。バニラエアもほぼ定刻に飛んで深夜の関空に到着した。帰りの飛行機、色々反芻していて眠るに落ちず。エアロプラザについてからも、興奮冷めやらぬというか。
たまにはこんな刺激受けに行かないと。

1/1〜3 帰省の復路は台湾散歩(その6)

鹿港の天后宮は平日の昼間ながら団体参拝客もいて、この3日間の廟で一番賑わっている。本殿の媽祖様は燻されて真っ黒に。それだけこれまで多くの人が祈りをささげてきたということ。囲炉裏の古民家と同じで、このまま長い時を無事であってほしい。

 

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陶器のレリーフもこの廟が一番鮮やかでそれだけ格が高いということかな。

 

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屋台街もいろいろ。でも、牡蠣オムレツは昨日食べたし、そもそも猫鼠麺を食べたばかりでそこまで空腹ではなくて。それと、場所によってはいつ揚げたんだろう?とちょっと潔癖な癖もでてしまい素通りする。

ちょっとした後悔はレーズンを買わなかったこと。
屋台に、その先にドライフルーツの専門店もあって、どれも台湾産らしい。
そういえば敦煌でも大量のドライフルーツを買い込んだような・・・
日本でスーパーの1袋100円のは味しないし、かといって枝付きのは晩酌のつまみには高すぎる=海外調達の選択肢が浮上する、と。

結局余った台湾ドルの消化に空港でレーズンを購入も、帰ってから良く見ると「智利」の文字が・・・やっちまった。日本の観光地でドライトマトなんか買うものかというポリシーを、海外で逸脱してしまうとは。 

 

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本筋に戻って、古市街~九曲巷の古い町並みを南下していく。あまり観光地的な俗化が進んでいなくて、軒先のバイクが生活感を醸している。どの路地が細いかと行ったり来たり、これが楽しい。
途中に「芸術村」なるエリアが登場するも休みで建物の中は見られず。

 

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水墨画からいかにも現代アートまでいろいろ集めてみたらしい。
最近できた区画みたいで、アートと観光を紐づけるのは日本に限らないらしい。

 

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小腹も空いたところで「阿振肉包」で、肉・野菜(翡翠)・焼き豚をひとつずつ。肉と野菜は王道の肉まんで、それでいて餡がしっかり味がついているので酢醤油なんかも要らない(現地ではつける習慣なさそう。渡されなかったし)
ちょっと外したのが、焼き豚のやつ。肉がごろっと路線ではなく、ミンチ状の、そして台湾独特の、もわっとするスパイス(何だ?)が効いている。
うーん、これだけちょっと高かったんだけどな。

日本のメディアでも紹介されました!って看板も。
先のふたつは日本でも十二分に受ける味だね。そういえば、台南より日本人を見かけた。それでも3時間歩いて両手いかないぐらいだけど。

 

1/1〜3 帰省の復路は台湾散歩(その5)

部屋が照らされるとともに目が覚めるが、明らかに酒が残っている。
二日酔いではない、単にまだ抜けていない。二度寝して、教えてもらった前の方は諦める。


8時半の2本目を目指して宿を出発、台南駅で切符を買ってセブンイレブンのサンドイッチで朝食を済ます。数食ぶりに、手抜きした。

 

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朝の駅前ロータリーは通勤時間帯が過ぎた?まだ?よくわかんないけど8時過ぎでなんとなく閑散としている。ビジネス街はこのあたりではない?
ちょっと、地に足がつかない気分


列車は意外と満席近く、すんなり買えたけど空席があってよかった。彰化まで2時間弱、サンドイッチを食んだらそのまま眠りにつく。ようやく、抜けてきた。

 

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彰化駅は台南より北にあるんだが、駅前でっかいヤシの木でこちらの方が南国気分だ。そのまま鹿港に向かってもいいんだが、逆算すると台中で見どころなさそうだし、少し歩いてみることに。見開きひとページにあったのは、「八卦山」、「孔子廟」、「猫鼠麺」全部行く。

八卦山に向けて進んでいくと駅前にベトナム語が目立つ。越南料理と掲げた店も。出稼ぎで入ってきてる人が多いみたい。

 

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続くは学習塾の看板たち。アパホテルのように顔写真が目立つものばかり。
とてつもなく競争過熱してるんだろうな。学問の神様祀っている廟には受験票のコピーはった絵馬もあったし(個人情報とは、いや神様が誰かわかってくれないと意味がないということか)

 

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通り道に孔子廟
ここはたちよる人もなく静かなタイミングに寄れた
ちょっとこういうの飽きてきて、量産型な印象を受けてしまう・・・

 

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思いのほか近かったが最後ののぼりで汗止まらず。30分ほどで八卦山に到着する。りっぱな展望回廊は建設中?メンテ中?で入れずだが大仏を拝み、一応中の展示・・・はありがちな短絡的な取ってつけた感で、しかも異様に蒸し暑くて(冬でこれだと夏は完全にサウナ)どうなんだろ?

園内は野犬が多い。温厚なんだとは思うし、基本人には関心を寄せてこないが、そもそも苦手な動物なので、弱みを悟られないよう気を張り詰める。

 

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戻ってきて猫鼠麺、貝出汁の沖縄そばみたいな感じ。
相変わらずつみれは異様にプリプリしてて不自然で苦手なんだけど、麺とスープはとても美味しくいただきました。


鹿港へは路線バスで1時間ほどらしい。48元、車内払と告げられ乗り込むが、そこまで細かいお金はもっていないし、両替機があるわけでもないので、やむなく50元入れて奥の席へ。
GPS追いながらこの辺走っているのかと辿っていき、少し寝落ちする間に鹿港の街へ入っていた。
終点はもう少し先のようだが、中心の交差点らしきバス停で止まり、半分ぐらい降りていくのでその流れに沿って。

 

そのまま北の方に歩いていくと、10分ほどで右手に天后宮が。港町ゆえに、媽祖様を祀る。福建省から船で運ばれてきた女神、航海の安全を祈る。
日本でも中華街にあるし、沖縄にもあるらしい。どれも江戸時代の交易ルート上にあたるわけで。福建商人は縦横無尽だ。

1/1〜3 帰省の復路は台湾散歩(その4)

陽が和らぎだした16時前に再始動、市街地の南の方を歩き回る。

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まずは「首廟天壇」いかにも中華系の廟で黄色いあの世で使うお札を売る店が所狭しと。お供え物のひとつとはいえ、お金を炊き上げるのはやっぱりすごい。

 

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参拝しつつ、木片を地面に落とす人がちらほら。思いつめたような人もいて、何かの呪怨から解き放たれる術なのか?と引っかかる。
調べてみたら、おみくじを引くための手順らしい。裏表が揃わないと先に進めない。一心に願うあまり、繰り返し繰り返しであの表情になっていたのか。

 

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この界隈は日本統治時代の古い建物が残っている。
気象台とか(これはちょっとした灯台みたいな形だけれど)、文学館に林百貨・・・どれも撮るなら夕暮れ時と、場所を確認して歩を進める。

 

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ちょっと寂れた感じの店だけど、肉圓の店へ。ここも1人前で100円ぐらい。
皮が透き通っていて脆く、肉まんとは少し違う。甘くていかにも台湾なスパイスがきいたソースが食べ始めると美味しいと思う。


何より、付け合せのセロリスープが良かった。鶏ガラ粉末に、ホワイトセロリを散らして、ブラックペッパー少しふれば再現できるかな?シンプルなんだけど、仄かすぎずきつすぎない塩梅が見事

 

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孔子廟で時間を潰す。入館料払って中に入ったけれど、まあ、どこのこれもあまり変わらないよね。歴史的には台湾最古で350年ほどの歴史がある。
やっぱり台湾の京都、である。

入口の公園部分は憩いの広場で家族連れから、欧米系のバックパッカーまで羽根をのばしている。日陰で本読んで(ちなみに『脱・限界集落株式会社』~本の中では地方の寂れた商店街が軟着陸を目指している)、あらかた夕焼けに染まってきたあたりで活気に満ちた喧騒に戻る。

 

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文学館は細いだれも使わない横断歩道、意を決して渡りの交差点の中から

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林百貨ははす向かいから。どちらも先客ありで三脚立てつつ、こちらは精神統一数撃ち当たれで手ブレを防ぐ。

 

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そして神農街をリベンジ、今回は店も閉まり切っての人通りほとんどなくて閑散とした裏路地に戻っている。スクーターがやっぱりアジアって思わせてくれる(ベトナムインパクトを脱しきれていない)


道端の牡蠣オムレツ、昼も食べたのにもう一度。鉄板の目の前であっという間を見届ける。

 

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なんだろうな、牡蠣も牛肉も、歩き方の末尾にあるような教科書読み込むと一旦躊躇してしまうんだけど、来たからには食べないと。その乗り越えに時間をかけてはいけない。(でも、ラオスでスパイス中毒起こしたことはあります。いきなり過呼吸みたいになった。水飲んで30分ぐらい休むと治ったけど)

 

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〆に粽もどーんと。
更に牡蠣を積み増して、牡蠣スープ
注文受けてからに清湯にくぐらせて作ってくれる。
牡蠣かハマグリかで、後者の方がおススメですよな雰囲気出されたけど、今日は貫き通す。


宿に戻ってはビールと白酒で日本人らしい酒盛り。
明日の行先を皆さまに意見伺いつつ。
当初予定の旗山・美濃は「ちょっと原住民いるけどただの街」と微妙な感じらしいので、中部の鹿港を目指すことにする。朝の列車を調べてもらい、彰化→鹿港→台中→桃園とバスを乗り継ぐ。
時間は行き当たりだけど、最後2時間余裕もたせておけば何とかなるだろうと、信じ込む。
歩き疲れも効いてきて悔しいかな途中でふらついて切り上げる。