岩槻駅に戻って裏手にある東玉社員寮のアーティストインレジデンスにも立ち寄る。6畳一間の簡素なたぶん昔ながらの寮跡地でこれぐらいのスペースがアートイベントにいいのだろう、山形でも土湯温泉でもみてきた箱
壁にぶつかる度に「私は幸せです」と発するルンバに慄きつつ、機械に諭される自分が悔しくも、やっぱりこういう社会問題投げかけ的なアート作品に惹かれてしまうのです。
しっかりみてると結構な時間になっていたので武蔵浦和駅周辺をささっと流しみることに。
アイガルス・ビクシェ
『さいたまビジネスマン』
この芸術祭の象徴的な存在になっている作品で、確か私もこれを新聞記事でみて足が向いたわけだが…
よく見ると随所にへばりついている蜘蛛と蝿が気になってしかたがない。
それさえ気にならないほど寛いでいる、という解釈も?やはり疑問に感じてしまう。なんだろう、足を伸ばして大局的にたっても日本人のビジネスマンに張り付いている強迫観念…のように頭に残る。
最後は近くのこちらも旧社宅を活用した作品群を。だいぶ手を加えてる作品も多い。
障子で障子に描いた絵を〆に。
全体的に作品が散らばってる割に、なんだろ、惹きつけられて時間を忘れることはなく淡々と。「なぜ埼玉?」を意識しすぎるあまりピンとこない作品がちらほら。
だから、なぜさいたま市エリアでイベントを開く必要があったのか?横浜への対抗心?街に根ざした文化や顕著な歴史も薄い中で、何を目指したのか釈然としないまま。
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今回の宿はこちら。
直前に取ったので有名どころのゲストハウスを取れるわけもなく、大箱系のサクラホテルグループも満室、普通のビジネスホテルだと5桁行きでカプセルよりましとこちらの新興勢力に。
結論、ミスった。
カギがないのはまだしも、出来立てなのに随所にに清潔感がない。デザイン性でなくコストカットでのトタン板仕様が丸出しで、いまはインバウンドと景気そこそこだから旅行客でそこそこ回せそうだけと世相が暗転すると一気に貧困ビジネスとか、現代の山谷とか、そんなアイコンになりそうな…
ベッドも荷物置く鍵もなく、スタッフも最小限で回してて、中国語対応必要とはいえ、日本語力に疑問あるフロント1人ではちょっと無理がある。
しかも、運営会社が「わけあり本舗」っていうのは、なんだろう、ちょっとした悪い冗談のような気がしてならない。
東京の宿不足は深刻なり。