岩手から旅日記・大阪編

週末、東北をあちらこちら。→17年春から大阪へ。さらに名古屋

6/18 西成を歩く、正確には駆ける(その2)

残念な世界を目の当たりにした飛田新地を去り、西側の本格的にあいりん地区のエリアへ。

  

通りのスーパー玉出まで戻って、高架になっている今池駅をくぐる。

高架下アーケードのもつ焼き店、また次の社会へ来たことを知らせてくれる。
自転車でスピードを落とし…ここでも、押して歩くことはできず。

 

なんだろう、決して衰退した商店街ではないのだけど、活気ではない、何かが蠢くような混濁した感情を生む街並み。

空が見える場所に出る。

 

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要塞・西成警察署
ここで立ち止まって一息つく。辺りを見渡せば、路地はおおむね普通だ。


でも歩く人はやっぱり高齢の男性ばかり、当てもなく彷徨っている、のか、定位置に佇んでいるのかはわからない。
目はどこかうつろで、澄んではいない。

 

そのまま、あみだくじのように通りを折れながら、少しずつ北上する。
「福祉の方歓迎」とかいたアパートが並ぶ。いま、この街に報道のスポットが当たらないということは、景気は良いんだと思う。雨風にあたってすこし古くなった横断幕が歴史を語っているのかも。

 

屋台骨を支えてきた仕事がここにはあったらしい。
人は誰しも、それらしく生きていく社会であってほしい、衣食足りて礼節を知る。

 

実際のところ、新今宮駅に近くなればごく普通の街のようにも見える。
この辺りは紆余曲折を経て?ゲストハウスになった建物もあり、浅草~山谷の東京安宿エリア北端に近い(要するに、それでも山谷ではあるわけだが)雰囲気を持つ。

 

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駅を超える、正直ちょっとホッとする。

何で自ら、この街を歩いて、いや、通過してみたいと思ったのか。
しかもその意思は、大阪に来て芽生えたものではない。東北に残ってても東京だったとしても、次に大阪への機会があれば、見ておきたいと考えていた。

 

 

スラム的なものに対する好奇心であり、海外のそれに飛び込む勇気はなくの「安全な」社会科見学だ。

それでも、あいりん地区をこの目で確かめておくのはありだったと信じている。

 

予想以上に高齢化が進んでて、労働者の街ではもはやなくなっているが、なんだろう、東京オリンピックが終わって、新今宮星野リゾートができるころ。ジェントリフィケーションは着実に。景気には浮き沈みがある。その時、このエリアはどのように捉えられているのだろうか。

 

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