御朱印帳を手にしたことだしと、神社に立ち寄ることに。若狭国一之宮は意外にも小浜にあるらしい。まずは上社へ。織姫彦星の如くか、こちらは若狭彦神社という。
人気のない、無人の寂れた社なんだけど、脆さを伴いつつも端正な古さというか、やっぱりこのような場所は空気が引き締まっている。
門をくぐって鎮座する本殿は、瓦や銅板できっちりした屋根ではなく、ともすれば雨漏りしていそうな、薄い茅や板に守られた建物、つまり一見粗末
でも自然と背筋が伸び、心洗われるというか、しばらく深呼吸して落ち着ける空間を演出する。
これが要するにパワースポットなのか、そんな横文字信じないけれど、日本人にとって良いところであるのは確か。
対を成す下社、こちらは若狭姫神社という方は1キロちょっと港寄りに。住宅地を抜ければすぐ。
なかなか巧妙に解釈した「安全運転の誓い」に少々戸惑いつつ、造りは普通の神社なので中に進めば落ち着きを取り戻す。
こちらの方は神職が常駐していて、人の目が届くはずなんだけど、それ故にか、上宮にくらべて古民家的な劣化が進んでいるようにも見える。それはつまり、うろこのようにはがれた屋根や、雷に抉られたままのような飾りの部分
寄進を募りつつ、いつかは修繕改築の構想有らんことを祈る・・・
御朱印はこちらでふたついただく。
ここまで来たら鯖寿司も手にしておきたい。港へと。
漁港の売店はいまひとつピンとくるものがなく(刺身やお寿司で、明らかに他で水揚げしたマグロやサーモンを売り込むのはどうかと。原料の鯖はもはやノルウェーに頼りきりとわかっていてもこちらは譲って文化的なルーツはあるとして、だ)隣の建物の売店にて1本購入する。少しその値段にたじろぐも他に客おらず対峙して、サッと試食ですと2切れも出されたら、そのままで帰れるまい。
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まだまだ陽は高い。
高速なら2時間強の道のりだけど、そのコストはもったいない。
下道で南下しつつ、少し気になっていた美山の合掌造り集落へ。
とはいえ、到着したのは17時前でちょっと店じまい始まっているような雰囲気も感じる。夏至過ぎたばかりでまだまだ明るい時間だけれど、行き交う人も多くはない。
だいぶ昔のことだけど、白川郷や五箇山でみたそれよりは、二回りぐらい小さく感じる。そそり立つ存在感というよりは、昔はどこにでもあった、ニッポンの原風景的な。
汗は流したとはいえ、山帰りにのんびりと、腰を落ち着けるような時間でもそれを可能にするような店があったわけでもなく、15分ほど歩いて退散
冬の合掌造り、撮りに行かねば。
やっぱり本場に。