翌朝はなぜかラジオ体操から。
昨晩の残りを味噌汁に入れたり、焼いたりで片付けつつの朝食
日が昇るとすかっと青空が広がってくる。紺碧の空!というほど標高の高いところにいるわけではないが、清々しい夏を感じる。
集落を少し散策してから山を下る。やっぱり結構遠くて、廃村になったのもわかる気がする。山を歩いていた時代は宿場として適当な位置にあっても、車社会になっては一気に抜けれるし、トンネルができてしまえばなおさら。
道の駅で諸々を返却して、下栗の里へ向かう。こちらも山ひとつ越えた先なので、少し距離がある。
その前に、2日連続の蕎麦
元善光寺の入り口あたり。
昨日の感動と比べてしまうと、残念ながら少し見劣りするが、
長野といえば、やっぱりこれ。
山道を抜けると巨大な構造物が現れ、長大トンネルのバイパスを進む。
峠道などなんのその。ただわざわざ造るほどの需要があるか?ではあるけれど。
ただ、目的地の下栗はさらに登りかえした先にある。
ここからは完全な山道。ヘアピンカーブを繰り返しながら標高を稼いでいく。集落手前まではセンターラインこそないものの、離合には苦労しないそれなりに整備された道。
視界が開けると、日本のチロル称されるらしい里へ。
平家の落武者なんとかの謂れがあってのパターンではなく、縄文時代ぐらいの遺跡が近くにあるというので、山の中で水がとれたか、多少なりとも整地ができるエリアだったのか。ちょっと不思議な集落である。大平宿のように、街道の拠点ではなく、ここはどん詰まり。
それでも、俯瞰できる展望台を整備したり、ちょっとしたカフェをつくって在来種の芋を販売したり、地に足つけた観光地として整備できた良い例だと思う。
大きく人口増加や、子供が増えるといった発展は望めなくとも、それなりに認知されながら、日本の原風景的な意味合いで記憶に留められるわけだから。
その展望台へは、駐車場からアスファルトを少し登り、杉林をほぼ等高線に沿って拓かれた山道を15分ほど歩いたあたり。ちょうどいいアングルになる完璧な位置にある。
案内板には集落のお年寄りも総出で整備したとあり、ちょっと昔の言葉でいえば、内発型の観光開発で規模は小さいけれど好例といえそう。駐車場も集落のうえ、南アルプスをのぞめるちょうどいい場所にあり計算しつくされている。
在来のじゃがいもは密度が高いぎゅっとしまった実で、今風の品種ではないんだろうけど、焼いて醤油をかけると美味しい。バターにも合うはず(試せていないだけ)
長野県もまだまだ知らない場所ばかり。
帰りは最終のアーバンライナーで。
鶴橋まで2時間、旅疲れが残らぬよう、寝て過ごす。