京都を巡る秋、まだ暑い日々
土曜日の昼下がり、上司に連れられて88か所を歩く。
北西のほう、花園駅に集合
少し早く着きすぎて、謎の果物売り(いきなり話しかけてきて、高そうなマスカットを紹介してくる。新手の何かか?)をかわしつつしばし待つ。
駅のコンビニでサンドイッチを買って、仁和寺へ。
印象はあまりない。あるとすれば、徒然草の「仁和寺にある法師」の件
そしてその目的地たる岩清水八幡宮はここからだいぶ離れた場所だったのかと。この折に検索して初めて知る。ほどほどに暖かくなってきたこのタイミングで出かけてみるのもいいかもしれないなと。
やっぱり路面電車な嵐電の踏切を渡って、すこし歩いて仁和寺にたどり着く。
壁の五本線は最高の格式を示すらしい。
庭園や桜も美しいらしいのだけど(時期的にはこの3か月前まで、新緑の頃がやっぱりいいのかなと)、目的地はその先なので五重塔も少し見上げて1枚撮る程度で足早に(私が急いでいるわけではなく、上司の歩くスピードが速すぎるのだ)
裏山にあたる成就山に88か所のお堂があって、そこを参ることでという富士塚のような発想、でも旅行が一世一代だったころはひとつ貴重な旅先だったのかもしれない。距離感やスケールも模してあるのかと一瞬期待したけど、そもそも地理的な位置関係が保たれているわけではない。ハイキングコースのちょっとした平坦地にお堂を立てているわけで。
それでも結構登ると、小高い丘、というには高すぎるぐらいの場所には登りつく。小さな山でも、視界が開けるとスカッと心晴れて踊るものだ。
山頂は48番の西林寺に。裏手にベンチがあるけど、蜂の巣近くにありとここで休んではならぬらしい。少し下ったところに京都市街地を一望できる展望コースあり。こちらのベンチで食事休憩を。
やっぱりまだまだ暑かった。噴出した汗の分、水を飲む。
蝉の声は落ち着き出していた。雲もちょっと秋っぽい。
ここからは下りがメイン、ちょっとした鎖場というアクセントもありつつ、1時間半ぐらいでこのアトラクションを「結願」する。
どれもお堂は朽ちていないまでも、しっかり管理が行き届いているとはいい難く、それなりの古さは否めない。それでも、昔の人々が憧れと願いを込めて作った道は歴史ある京都ならではと。富士山は遠い。少し近いけど誰しもが歩きとおせない88か所を手の届くところに。切実な願いも重なる。
そういえば、大阪に降り立った4月の頃、本気で88か所を巡ろうとしていくつかガイドブックを買った。結局のところ、あちこち歩いてばかりで四国は2度しか足を踏み入れず、この先もスタートする見通しさえ立たないのだけれども、人生のうちに途切れ途切れ、目指す旅路として秘めておくのもありかもしれない。
汗を書いたら水分補給と。中心街に戻って、ハッピーアワーで1杯200円足らず(缶ビールを買うより安い!)の生を流し込んで、プラスマイナスゼロの一日を終える。こんな社内営業なら、いいよね。