みはらし亭から千光寺までは本当に目と鼻の先で、一折登るぐらいでお堂に到着した。普段は神社ばっかり回っているので、あまりお寺にお参りすることはない。ついつい二礼二拍手しそうになるが、そのまま手を合わせる。
口コミみてるとお守り売ってるおばさんがなかなか強いとあったが、ちょうど団体客の合間を縫って参拝できたので、彼らがシールドになってくれたみたい。
本堂を抜けると目の前に、名の由来となった灯台のように光るという玉の岩あり。なんかちょっと取ってつけた感も否めないのだけど、まま、確かに暗い太古の昔、月夜に照らされて、なんてのは風情を感じるじゃないか。
この辺りからでも十分眺めはよいのだけど【絶景眺望】なんて書かれたくさり山を発見してしまう。石鎚山の鎖行を、本場の前に予行練習のつもりで。百円玉ころりと入れて、いざ行かんと。確かに鎖をつかって登るルートではありつつ、どの順序で足かけていけばよいかは明確なので難易度は低い。ものの数分で絶景の山頂へ。手を合わせてから、絶景をどーんと!意外とここに登ってくる人は少ないようで誰も気配は無い。文字通り、独り占め。(まま、ロープウェイから若干の視線は感じるわけだが)
向島との距離が近い。河口の対岸に思えてならない。街並みがぎゅっと凝縮している。
鎖場をおりて、「文学のこみち」なる散策路を進む。結構な著名人が並んでいる・・・ように見受けるが、教養が至らずほぼ素通り。面白かったのは、こんな切り株という、直感的感動に過ぎず。
美術館の方に下りていき、そのまま細い路地の中を特に調べず、迷ってみる。
傾斜に沿いつつ抗いつつ、不規則にコンクリートの道は続く。住宅が密集しているようで、生活感のない、おそらく空き家も多く坂の街の厳しさをここでも改めて。あらかた狙った方向には進めており、最後は地図みつつの微調整で朝食パンに感動した「ネコノテパン」に到着する。先客あり、本当に狭い、ひとりずつ入る店内、しばし待つ。
順番が来て中に入ると、全てのパンが手の届く位置に。作業場の方が5倍くらい広い(でも、こちらも3人が働いていて結構密度が高い)
なんだろう、物語の一節を思い返すような(具体的に何かは、今でもはっきりしない)不思議な空間である。
尾道ラーメンもう一軒!の予定もあったので、軽く、食パン1斤とはいかずさっと食べられるフレンチトーストとメロンパンを購入。「外に出たら猫がパンを狙っていますから、荷物にしまってから出てくださいね」
予告通り、子猫が待機中で、この、要するに人が猫に魅せられてしまうあの視線を送ってくる。強い心でレンズだけ向け(そうすると真意を確かめるように幾分鋭くなる)、宿の近くの公園へ登りかえす。こちらでそのパンを頂く。
マップをみてると猫の細道、なんていういろんなものにインスパイアされ過ぎな名称を発見、その名に違わず、要するにクリエイティブな、というべきアートやら置物やら招き猫やら占いやらが吸い寄せられた路地に入る。
まま、こうはっきりとピントが合いそうな場所がなかったので素通りしたわけですが、1軒ぐらい、怖いもの見たさで入ってみても良かったのかな。
ロープウェイの麓あたりに下山して、坂道散歩を終える。
尾道から姫路まで直通する列車に合わせて駅に向かう。ちょっと時間があったので青春18きっぷを購入してから駅前で尾道ラーメンを。
こちらもそこそこ人気店みたいだけど、味はちょっと特徴が薄いというか、昨日の朱華園が行列できる理由を再確認できたようなものでもあり。
まま、いい感じに背脂聞いてて尾道らしさは十分に。
帰りの電車、まさかの非リニューアル車で転換しないボックスシートが並ぶ。ちょっとしたレトロ感への嬉しさと、直角座席への疲れが交錯しつつ、姫路からは一気に。18きっぷは翌週土日使って、一番高くうれる残り2階で早めに飛ばしてしまおうと。