そんななだらかで、でもやっぱりちょっと違う登山道を進んむこと1時間強で、稜線、すなわち吉野から続いてきた奥駈道に出る。この本線も、手前の小天井ヶ岳から結界に入っているので、歩いてくる人がいても、男性のみ。
ここからは雰囲気も修験の場、という感じに。私でも、わかるくらい。
いたるところに石碑とか仏塔とかなんと言えばよいのかわからないけど、信仰にまつわるものがいろいろ。確かに、前年に登った百名山としての大峰山=八経ヶ岳と比べても「濃い」
宿坊などがみえてきていよいよ山頂エリアかな、という辺りでテレビで何度か目にした西の覗のところへ出る。お参りだけでなく、どうやら申し込めば誰でも体験できるそうだが、こんな神秘性を感じない人間が手を出すのは適切ではないので、手を合わせるくらいにして、先へ進む。
さらに10分ほど進めば、いよいよ山頂エリアの大峰山寺の境内へ。
ここからはさすがに改めて背筋を伸ばして。どの山も、山頂は信仰の対象だしね。・・・でも最後の階段はなかなか感じるものがありまして、すっと本堂のある一帯へ到着。
いろんな講の記念碑などもあり、ここがひとつの中心なのはしっかり理解・・・したつもりでいます。本堂にお参りして、ここでひと休みはちょっとあれかなと裏手の笹原でひと休み。
ここまで2時間半でまだまだ時間的にも体力的にもいけそう。このままピストンで折り返すのも、もったいないので、稲村ヶ岳方面へ縦走することに。
「本線」を外れて急勾配の階段を下る。こちらのルートは先ほどと違って人気が感じられない。設備がしっかりしているのはありがたい。
考えてみれば、このルートを通るのは男性だけ&登山目的の人間に限られる。たしょう、個人的に参拝しにきた人が下りに使うかもしれないが、あまり多くないだろう。(レンゲ坂谷は点線ルートだし、実際分岐でもけもの道に近い感じだった)というわけで一気に雰囲気が変わる。ちょっとマイナーな山に来たような、結構緊張が抜けない感じで歩く。
こちら側の結界門は、簡素な構えだが、人目につかないだけに、掲示はしっかりとしていて、英語でも伝統信仰ゆえに禁ずると。
そんな不思議な世界を抜けると、ごくいつも通りの登山道が続く。ほどなくして山頂への分岐に出る。稲村ヶ岳・花の百名山とポップな感じの看板がほっとさせてくれる。大日山とのダブル登頂は時間的にちょっと厳しいと判断し、稲村ヶ岳に絞ってふたたびの上り坂。途中「キレット」とあるが、そこまで切れ落ちた絶壁という感じではなく、問題なく通過できた。分岐から30分ほど、13時ちょうどに稲村ヶ岳の山頂に立つ。こちらの方が、ほんの少し標高が高いらしい。
深い森に包まれたところで唯一、山上が岳の笹原が異彩を放つ。
シャクナゲが綺麗に咲いている。
下りは法力峠から母公堂へ抜ける稲村ヶ岳のメインルートを進む。広葉樹から植林の針葉樹に変わりながらも、ほぼほぼ森の中を淡々と。14時半に法力峠、15時過ぎに無事下山。清浄大橋までは車道を歩いて戻り、車を拾う。
もちろん洞川温泉に立ち寄ることは忘れない。
関西だと、有馬以外の温泉が遠くて、なかなかふらっと行けないのが(と若造がいうのはなにかピントが合っていないような気もしつつ)残念。
ちょっと時間もあったので、天河辨財天社に立ち寄り。
16時半近くて社務所も畳み掛けだったので、お参り前に御朱印から頂く。
色々また斜に構えたように思考巡らせた疲れと混濁と反省を、洗い流して大阪へ戻る。