岩手から旅日記・大阪編

週末、東北をあちらこちら。→17年春から大阪へ。さらに名古屋

3/11 南三陸へ、変わりゆく定点観測

7度目の3.11は土曜日、西に飛び立つことが決まりつつ、この時点ではまだ少し先のこと。荷物を片付けつつも旅には出れない宙に浮いた日々。

浮き足立たないままでも、前日夜までどうするか悩みつつ、やっぱりその場所に行っておきたくなる。

 

通い慣れた2時間半の道のり。若柳金成ICから県道に折れて登米をこえる。時間短縮効果はしれているのにわざわざ少しだけ三陸道を走ってみる。志津川IC出るところで予想通りの渋滞にかかる。今日がこの日だから、来る人も多い。かくいう私も、であるゆえに、地元の方々には少々申し訳ないが。

 

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 街の入口にあった仮説の方のさんさん商店街は撤去工事が進み、残るはコンクリートの地盤のみ。モアイが所在なさげに佇む。BRTの駅も閉鎖済み。

 

混んでいるとわかりつつ、オープンしたての本設さんさん商店街へ。山上の景色をみつつ回り込むのだが、近づくにつれて車の密度が高くなっていく。手前のセブンイレブン辺りからは完全に渋滞に。

 

右折入場はできなくなっており、300mほど先の漁港に折れる箇所で下ってターンして、再び合流する。向きを直して動かない45号線で待機。さんさん商店街へ入っていく車が7割、他の3割にとっては予想できたこととはいえ可哀想な話だ。いまは開業直後でということもありそうだが、周辺はまだ盛り土の更地がほとんどゆえルートの整備、もしくは応急的にも迂回路案内が必要であるように思う。

 

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新しくなった商店街はやはり今年の3.11ではシンボル的な存在でマスコミ各社が押しかけている。いたるところにテレビカメラが。

しかし、その建物の造りをみていると首をかしげるような箇所が。本設のはずなのに屋根をはじめ各所が簡素な建材で、河口に面するので海風がそのまま吹き上がってきたら飛ばされそうと気にかかる。建物内部は確かにプレハブベースの以前よりはしっかりしている。店舗スペースも広くなっていて各店より自由度の高い展開になっているのは感じる。

観光客のための商店街、地元が望むはスーパーの再誘致。それでも、数ある復興商店街の中で発展をみせた稀有な例ではなかろうか。

その意味ではひとつの「上がり」だとは思う。次は軟着陸をぜひ。

 

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なんかこう、土山に囲まれてペンキ塗られてお行儀よく残っている防災庁舎はかつての荒々しさ、生々しさは失われてしまっている。でも、こうして残ったのが原爆ドームでもあるわけで。保存に舵を切った判断はきっと遠い未来に賞賛されるはず。

 

震災の爪痕がどんどん減っていく中、公民館に改装された旧戸倉中学校に最近見られるようになった場所があると聞きつけ立ち寄る。

体育館の裏手側で、小高い丘になっているこの学校も体育館には津波が到達した 。すぐの裏山で波は止まっていて、その場所がこれまでは柵で覆われて入らなかった。いつの間にかその囲いはなくなったが、地面にはガラスや陶器が散乱し、見上げると曲がったままのサッシに窓ガラスが割れたままの生々しい有様が残る。

3.11で止まったままの黒板も、2階の展示コーナーにしっかり残されていた。

 

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 この他にもいくつか懐かしい場所に立ち寄って、青い海を眺めつつ、西条魚店で牡蠣や蛸を仕入れて帰路につく。焼いて、マリネに。素晴らしき観光資源と。