岩手から旅日記・大阪編

週末、東北をあちらこちら。→17年春から大阪へ。さらに名古屋

3/10〜11 18きっぷで北陸高山ぐるっと旅(その2)

気比神宮から海に向かって進むと、旧敦賀港駅の駅舎が右手にみえる。この辺りが昔、多くの人や物が旅立ち、一方で流れ着いてきた波止場だったらしい。

今の港湾機能は、更に北に行った場所で北海道行きのフェリーとか、各所への貨物船はそっちを起点に。この場所には海上保安庁の巡視船が係留されているのと、左手には漁港かな?

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「命のビザ」を手にした人たちが日本に上陸した場所がこの敦賀港らしく、その記録を展示した博物館がさらに奥にあるようだけど、鈍行旅も意外に時間に縛られる。

ポンギーのチェックイン時間から逆算すると、さらに1本遅らせるのは厳しい。やむなく手前の旧駅舎の展示(当然鉄分は濃いが、そのなかでもちろん杉原千畝に関係する展示はでてくる)をさっと流しみて、ふたたび早足で駅に戻る。

 

 

 

北陸本線は、はじめ空いていたものの、やはり福井近づくにつれて2両では賄いきれないくらいの混雑になってくる。福井駅で約40分の乗り継ぎ時間なので、ここで忘れていた昼食を取る。越前のおろしそばか、ソースかつ丼か、ままそんな辺りを駅ビルでサクッと、そう考えつつ店を探した結果、おろしかつ丼という着地点に行きつく。思考の過程は、今となっては思い出せない。まま、福井は一通り知り合いがいるときに見て回れたので、こういうアレンジも良いかな。

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金沢までも再び関西の新快速と同じテイストの521系で、ギャンギャンけたたましい音を立てて走る国鉄形の姿はなし。快適なんだけど、快適なんだけど、ちょっと風情に欠けるというか、旅に出た感は薄くなってしまう。

 

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18時前に金沢に到着して、そのまま宿へと向かう。

ポンギーのオーナー、まさきさんは体調を崩してご不在だったが、雰囲気は昔泊まった時そのまま。キャパシティは10人ちょっとだし、とにかく宿泊者を「巻き込む」、交流系のスタイルも変わらない。造りが変わってなくて、帰ってきた感がすごい。海外から何度も足しげく通う人がいるのも頷ける。自然なかたちで、イメージされてるような古き良き日本のコミュニティ体験を作り出している。

 


そんなわけで、荷物を置いてコタツに入り、実家以来の、「新聞チラシでミカンの皮を捨てる箱」作りに参加する。さすがに10年以上ぶりだと、忘れてるので、教えてもらいつつ、不器用さを露呈しつつ、遅れをとる。まま、それでいいんじゃない。

 


キッチンでは、この宿の元ヘルパーがベルギー人の旦那を連れて「里帰り」していて、その方が小さい鍋で山盛りのパエリアを仕上げていた。

というわけで、何もしていないけどそのシェア飯の末席に並ぶ。ありがたく、ベルギービールも。

旅先の国際結婚、いろんな人生があるんだなと思いつつ、世界に旅立っていく女性には、このパターン、わりとよくある着地だと感じている。もしくは、シングルで生きていくか。価値観とは、いろいろ、と前置きしつつ傾向はあるのかな?という狭い見識での思考実験

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さて、ひと段落したところで、地元のポンギーファン含めて同窓会に行くということで、さすがにそこまで帯同するのはハードルが高すぎるので、近くの立ち飲み屋で軽く・・・と思ったが、金沢には立ち飲み、というスタイルがあまりないのだろうか。香林坊方面の観光客エリアまで繰り出すのも厳しいので、検索でヒットした、特に土着感のない立ち飲みギョーザで軽く調子を整え、宿に戻る。

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***

 


翌朝出発前、オーナーさんがわざわざ見送りに来てくれて、ポンギーの歩みとか、金沢のゲストハウス事情とか、いろいろ教えてくれる。

 


新幹線開業で流入客が大幅増、さらにインバウンドも欧米系に加えて、中華系も増えてくる(いわゆる昇竜道)ので、新規開業のゲストハウスが乱立し、かなりダンピングが進み全体的に宿泊単価は伸び悩んでいる。そんな中でも大箱系の出店は続くと。そんな中でここは「老舗」にあたり、規模は拡張せずこれまでのスタイルを貫いて維持していると。設備はエアコンを増設したりと少しずつ投資をしつつ、地元メディアとつながりをもって(この大きなコタツは行く年来る年の取材でもらったものだよ、なんて話も)地道に魅力を発信していく。

 


確かに、新しいゲストハウスは大箱でなくとも、キャパシティが10人ちょっとというのは稀に感じる。最近よく泊まる尾道みはらし亭は15人もいかないと思うが、あなごのねどこと相互補完な部分あり。10人前後というのは、北海道のとほ宿にイメージ近いかも。

こちらは基本的に2食出すので、単価は5〜6000円前後確保できる。そこから簡素化して初期のゲストハウス路線、素泊まり3000円台半ばで、コンセプトを重視した宿が生まれ、収益性の向上を目指して徐々に巨大化、企業化していく。toco→Nui→CITANがそのフォーマットに思えてならない。

 


お話を伺いながら、ポンギーはいつまでもこのままであってほしい、また時をおいてと再訪を誓う。

バスの時間ぎりぎりまで話し込み、慌てて金沢駅へ。