というわけで、無謀にも始まった崋山登山だが、登りはじめが12:45という辺りでなんかもう登頂できる気がしない(というか、日本でも初めての山ではやっちゃいけないと言われてるスケジューリングである)
しかも、帰りの新幹線は18:20発である・・・まっ、市街地に見どころないし、行けるところまでいってみようの一人旅だからできる突撃というやつ。
登山道はしっかり整備されていて、鎖場みたいなものは全然なく石畳の坂道と階段を繰り返すちょっとハードな遊歩道レベルかな。なんだけど、やっぱり自然に抗わない急坂が散見されるのはやっぱり登山のみちということ。
看板は中国語・英語・ハングルに加えて日本語もあって割と親切・・・だが、基本的に中国語と英語を読んで理解した方が正確なレベル。「注意安全 小心滑跌」要するに足元注意!なんだけど、「安全に注意し慎重にスリップ」って、さいごそうなったらあかんやつ。
途中鎖に南京錠が連なってるところもあって、え?これって要するに、愛とか絆を確かめるやつ?安直な恋人の聖地的なやつ?とちょっと気になるが、そんな鍵をマジマジと見ることはせず、先を急ぐ。途中いくつかの廟と茶屋を通過する。売ってた西瓜とかキュウリとか、ちょっと惹かれるけど、値段いくらかわかんないし、吹っかけられそうで、というか言葉わかんないしでこちらも基本的にスルーして進んでいく。
なんやかんや登山装備なしのスニーカーで、荷物抑え目とはいえ3泊分の着替えをもって歩いているので、やっぱり体力の消耗は早い。水もわりと減っていく。
途中から、登頂は諦めて、山の近くまで、行けるとこまで、15時になったらちゃんと折り返して予定通り戻るんだ、そう自分に言い聞かせつつ登る。
やっぱり、標高が上がっていくと景色は良いもので、「もし山頂まで行けば、下りのロープウェイには乗れるかな!」とか淡い期待をもってしまうことも。いや、夕暮れに歩いて下れと言われたら悲劇でしかないし、というまっとうな理性がなんとか抑制してくる。これもある種の正常性バイアスなのかな。
手前の北峰(1,614m、ロープウェイでまず目指せると思っていたところ)まで7合目ぐらいまできて、主峰の南峰(2,154m)も結構大きな、そそり立つ壁となって迫っているエリアに到達。地図を見る限り、ここから北峰山頂までは1km足らず、それなりに急勾配ながら、1時間はかからなさそうとみる。でも、既に時刻は折り返しを想定した15時に差し掛かっており、水も残り300mlくらい。
翌日はメインの兵馬俑に朝駆けしたいということも考えていくと、やっぱりこれ以上はリスクが高い。
しばし景色を眺め、下山を決意する。
兵馬俑以外にも、西安の見どころは多いらしいのでまた次の機会に。平日を見計らって再訪を目指そうと。
さて、下りはじめるとこれが結構な急坂を登っていたんだなって。
この時間でもどんどん下から中国人は登ってくる。この人たち、帰りどうするんだろ?やっぱりロープウェイ規制されてても諦めきれなかった(同類)なのか、もともとこんな感じで登る人たちも多いのか、この日だけでは良くわからない。
ただ、こんな風に這いつくばって登ってくる根性というか、バイタリティはヒシヒシと迫ってくるものがある。